イギリスのマンチェスターから北東へ90kmほど行ったヨークの町にあるDelittle Fenwick & Co.(デリトル・フェンウィック社)が、おそらく1900年頃に製造した厚紙製のプロポーザル・ボーイ&ガールペグドール・ポストカードです。Peg Doll(ペグドール)はイタリアの南チロル地方のヴァル・ガルデーナの町で作られた木製のドールが始まりのようですが、その後ドイツやオランダやアメリカで多く製作されたようです。また、Peg Doll(ペグドール)の名前はClothespeg(クロスペグ/洗濯バサミ)のペグから付けられたようです。また、初期の頃のペグドールは木製の洗濯バサミの側面に穴を空けて腕になる木の棒を差し込んだだけのものでしたが、その後にお顔の彩色がされ腕や脚はジョイントで動かせるようになったようです。また、ペグドールは衣服を着せられていない状態で販売されていたようなのでチャイルド達は布切れから自分でドレスを作ったようです。また、ペグドールはPenny Doll(ペニードール)とも呼ばれていますが、これは1ポンドの100分の1のペニー(1セント)の価格のドールのことのようです。また、ペグドールは当時は高価なビスクドールが買えない庶民のチャイルド達のドールでしたが、今では世界中で人気が高くてとても高価なドールになっているようです。こちらは超激レアなペグドール達がデザインされたPost Card(ポストカード)で、ダークブルーの表面にはピンクのお花とThe Proposal(ザ・プロポーザル)の文字がデザインされていますが、これは結婚の申し込みのプロポーズのことのようです。また、白い円の中には赤い蝶ネクタイをして首にPrise 6 3/4 £(価格は6ポンド75ペンス)と書かれた値札を付けたボーイペグドールが、白地に赤の水玉模様のボンネットをかぶって水色に白い水玉模様のワンピースを着て赤い本を持ってモスグリーンの椅子に座っているガールペグドールに膝まづいてプロポーズしているイラストがデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、ガールペグドールのどうしようかと迷っている表情と椅子の下にはCash(キャッシュ/現金)と書かれた現金袋が置かれているのも楽しいですね。また、左下にはD. F. & Co. York(ヨーク)の表示があります。また、裏面にはPost Cardの文字とデリトル・フェンウィック社のお花のマークがあります。また、宛先がMr. Ar Puddy, 28 Richmond Terrace, Windmill Hillと書かれているので、ロンドンから西へ170kmほど行ったブリストル海峡に面したBristol(ブリストル)の町のウィンミル・ヒルのリッチモンド・テラス通り28番地に住んでいるアル・パディ氏に送られたもので、切手にはBristol, Ja 20 04(1904年1月20日)の表示の消印のスタンプが押されています。また、If you will not propose. I must Spotと手書きされているので「あなたがプロポーズしないなら、私は(他の人)を見つけないといけないの」と書かれているようですが、表面のペグドールのイラストと同じプロポーズのことが書かれているので驚いてしまいますが、この後幸せになってくれているといいですね。また、Delittle, Fenwick & Co., Art and Colour Printers(アートとカラー印刷), York. 85.の表示があります。また、イラストは高価な全て特色を使った石版印刷で刷られているので何年経っても発色がよくて素晴らしいですね。121年以上も前のペグドールのポストカードですが、見ているだけでペグドールが欲しくなってしまいそうな超激レアな大変価値ある一品です。

イラストの発色が良くとてもきれいです。その他、多少の傷みや汚れなどありますが折れや破れはなく大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。