パリから南へ120kmほど行ったロワール川沿いのジアンの町で1821年に創設されたGien(ジアン)社が、おそらく1890年代に製造したポルスレーヌ(磁器)製のジアンランソー・ポルスレーヌコンポティエです。ジアン社はファイアンス焼きの陶器工房としてもヨーロッパでとても有名です。こちらは超レアなRinceaux(ランソー/唐草模様)というセリ(シリーズ)の果物やガトー(焼き菓子)などを載せるために作られた丸いフォルムのCompotier(コンポティエ/高台皿)で、イヴォアールブランシュ(アイボリーホワイト)の本体の上部のお皿の部分にはグリヴェール(グレーグリーン)で庭園のつる草とお花と枝に止まった小鳥達のランソー模様がデザインされていてエレガントでオシャレでとてもいい感じです。また、高台部分にもランソー模様がデザインされているのも素敵です。また、こちらはおそらくTerre de Fer(テール・ドゥ・フェール)という長石とカオリンを混ぜて白くして耐久性を高めたポルスレーヌで作られているようです。また、底面にはジアン社の王冠とお城のマークがありPorcelaine Opaque de Gien(ジアンの不透明な磁器) Terre de Fer, Rinceauxと書かれているようです。果物などを載せてお部屋に飾飾るとまるで絵画のようにお部屋が見えてしまいそうでとても素敵ですが、工夫次第でオシャレに楽しく使えそうな大変素晴らしい一品です。

ランソーの模様の発色が良くとてもきれいです。写真のように本体の上部の表面のフチに縦4ミリ横8ミリと縦3.5ミリ横6ミリと裏面のフチに縦8ミリ横18ミリと縦5ミリ横14ミリと本体の底面のフチに縦3ミリ横5ミリの古い時代の浅い欠けがあります。また、本体の下部の高台部分に20ミリ位のヒビが一箇所ありますが、当たりがないので製造時のもののようです。また、その他のヒビのようなものは貫入でヒビではありません。その他、多少の傷みや小さな釉薬部分の剥がれや汚れなどありますが欠けやヒビはなく状態が良くきれいで、Good Conditionです。