イギリスのコベントリーで1860年代からブックマークを製作しているThomas Stevens(トーマス・スティーブンス)が、おそらく1872年に製作したシルク製のレッドライディングフード&ウルフ・シルクブックマークです。こちらは超レアなRed Riding Hood(レッドライディングフード/赤ずきんちゃん)の楽しいお話のシーンがデザインされたチャイルド用のBookmark(ブックマーク/しおり)で、本体の表面には森の家に住んでいる病気のおばあさんにバスケットに入った焼き菓子と葡萄酒を届けに行く途中の道で親切そうな悪いウルフ(オオカミ)に出会ったレッドライディングフードが立体的なレリーフと色鮮やかな彩色で刺繍されていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、レッドライディングフードとウルフの他にもローズのお花やアラベスク模様のレリーフが細部までとても丁寧に織られていてとても素敵ですが、気が遠くなりそうな細かな刺繍で大変凝った作りです。また、Red Riding Hood, She gladly read unto the blind, took food unto the poor, and by kind actions helped the sick their sufferings to endure. The youngest of you has the power and means of doing good; We all can do what once was done, by dear Red Riding Hood.(レッドライディングフード、彼女は目の見えない人に喜んで読み聞かせました。貧しい人々に食べ物を配り、そして親切な行為によって病人が苦しみに耐えられるようになりました。あなた方の末っ子は善を行う力と手段を持っています。かつて行われたことは、私たち全員が行うことができます。親愛なるレッドライディングフードより)などと書かれたのお話も刺繍されていますが、本体の下部には赤いフリンジが付けられています。また、下部の折り返した三角の裏面にはT. Stevens(トーマス・スティーブンス) Coventry(コベントリー)の文字と1842年から表示が始まったイギリスの意匠登録のためのRdと書かれたRegistry Mark(レジストリーマーク)がありますが、中央のRdの右にアルファベットのIの表示があるので1872年、Rdの下にEの表示があるので5月、Rdの上に6の表示があるので6日のことなのでこちらは1872年5月6日に製作されたもののようです。レッドライディングフードのお話はフランス人のCharles Perrault(シャルル・ペロー)が1697年に出版した「ペロー童話集」の中にありますが、1812年頃にドイツ人のグリム兄弟がチャイルド達のために可愛くリメイクして有名になったようです。当時はチャイルド達のブックマークでしたが大人が使ってもオシャレで可愛い超レアな大変貴重な一品です。

レッドライディングフードとウルフの刺繍の発色が良くとてもきれいです。写真のように二箇所のシルクの多少の裂けからの破れが古い時代に薄いフェルトのようなもので修理されています。その他、多少の傷みや色焼けや汚れなどありますが古いものにしてはとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。