ドイツでおそらく1910年代に製作されたBiscuit(ビスキュイ/ビスク・磁器)製のコクリコボネ&ドンテルローブ・ミニョネットビスキュイプーペです。ビスキュイプーペ(ビスクドール)は19世紀のヨーロッパのブルジョワのマドモアゼルやマダム達の間で流行ったPoupee(プーペ/ドール)で、フランス語のBiscuitはお菓子のビスキュイ(ビスケット)と同じように「二度焼き」が語源のようです。また、Mignonette(ミニョネット)はMignon(ミニョン/可愛い・小さい)の単語にetteの接尾辞が付いたもので、「さらに小さくて可愛い」という意味のようです。こちらは大変レアな亜麻色のモヘアのオリジンヌ(オリジナル)の髪にロゼのリュバン(リボン)にオランジュ(オレンジ)のフートゥル(フェルト)などで作られたコクリコ(ヒナゲシ)などのお花とイヴォワール(アイボリー)のドンテル(レース)のリューシュ(フリル)飾りが付けられたボネ(ボンネット)をかぶって、イヴォワール(アイボリー)のチュールドンテルで作られたローブ(ドレス)を着たミニョネットのフィーユ(少女)のビスキュイプーペで、彩色されたつぶらな黒い瞳とロゼルージュ(ピンクレッド)の口元でお友達の誕生日会に行くので可愛いローブをママンに着せてもらったのに何か気に入らないことがあったようなので駄々をこねてほっぺを膨らませてご機嫌斜めような表情がオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、ローブにはお花模様のドンテルのリューシュ飾りが付けられているのも素敵です。また、ローブの下はポーブル(パープル)の光沢のあるソワ(シルク)のような生地で二枚重ねになっています。また、足には彩色されたブルーのリーニュ(ライン)のある淡い肌色のショセット(ソックス)にブラン(ブラウン)のショスュール(靴)を履いているのもオシャレです。また、頭も体もビスキュイ製で腕と脚がカウチュ(ゴム)紐でジョイントされていてるので色々なポーズが楽しめますが、椅子などにお座りすることもできます。また、背中にはGermanyのエンボスがありますが、製造した会社についての詳しいことは良く分かりません。見ているだけでどんどんとビスキュイプーペの世界へ引きずり込まれて行ってしまいそうなとても可愛い一品です。

お顔などの彩色の剥がれは少なくとてもきれいです。ジョイントに壊れはありません。モヘアのかつらはオリジンヌで傷みは少なく頭に固定されています。ボネに多少の傷みがありますがとてもきれいです。ローブは着せながら縫われているので脱がすことはできませんが、傷みや汚れはほとんどなくほつれや破れもなく大変きれいです。その他、多少の傷みや汚れなどありますが欠けや壊れはなく大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。