ドイツでおそらく1890年代に製作されたほとんどデッドストックの厚紙製のロートカピヒェン&ヴォルフ・グランツビルダーです。こちらは超レアなRotkappchen(ロートカピヒェン/赤ずきんちゃん)の楽しいお話のイラストがデザインされたGlanzbilder(グランツビルダー/クロモ、スクラップ)で、森の家に住んでいる病気のおばあさんに変装した悪いヴォルフ(オオカミ)がベッツ(ベッド)に寝ているとは知らないでコルプ(バスケット)に入ったクーヘン(焼き菓子)とブッター(バター)やケーゼ(チーズ)などを届けに来たロートカピヒェンですが、なんだかおばあさんの様子がおかしいなと思っている姿がオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、ベッツの傍で心配そうにしているカッツェ(猫)も可愛いですね。また、本体は高価な発色がいい全て特色を使った石版印刷で刷られていますが、細かく切り抜かれていてエンボス加工もしてあるので立体的でとても凝った作りです。また、元から下部に縦に切り込みが二箇所ありますが、おそらく小さな厚紙を挟んで立てて飾るためのもののようです。グランツビルダーの始まりは1870年代頃のドイツからですが、主に手紙に貼ったりクリスマスツリーのお飾りに使われていたようです。その後、おとぎ話や妖精や動物やお花などをモチーフにしたグランツビルダーが沢山製作されるとキンダー(チャイルド)達が夢中になって集めたようです。また、デカールが普及しだすとグランツビルダーは衰退していきますが、特色の石版印刷の発色の良さとエンボス加工と細かく切り抜きされた凝った作りは百年経っても素晴らしいですね。見ているだけでロートカピヒェンの可愛い世界に引きずり込まれてしまいそうな超レアな価値ある一品です。

イラストの発色が良く大変きれいです。その他、僅かな傷みや汚れなどありますが折れや破れはなく大変状態が良くきれいで、Good Conditionです。