パリで1816年にJean Antoine Brutus Menier(ジャン・アントワーヌ・ブルータス・ムニエ)が創設したMenier(ムニエ)社が、おそらく1930年代に製造したトール(ティン)製のサイアンブルー&クレームローズチコリーボワットです。こちらは大変レアな使い勝手がいいヒンジで開閉するフタの付いたChicoree(チコリー)を入れるために作られたキュイズィーヌ(キッチン)用のBoite(ボワット/ボックス)で、サイアンブルーとクレーム(クリーム)の色合いのフタと本体にはChicoreeのロゴとロゼのローズのお花がデザインされていてオシャレで可愛くてとてもいい感じです。また、フタの裏側にはムニエ社のエンボスでMenierと書かれ銀色のエティケット(ラベル)が貼られていたようですが欠損しています。ムニエ社は元々は製薬会社として創業したようですが、1836年からは貴族達の飲み物や菓子の贅沢品だったショコラ(チョコレート)から作った医薬品の製造を始めたようです。また、ショコラがヨーロッパに普及した当時は、疲労回復や万能薬としてショコラは薬屋で売られていたようです。こちらのボワットには同じデザインでSucre(シュクレ/シュガー)、Chocolat en Poudre(ショコラアンプードル/チョコレートパウダー)、Farine(ファリーヌ/小麦粉)、Pates(パッツ/パスタ)、Cafe(カフェ/コーヒー)などもあるので当時はセットで売られていたようです。さすがにフランスの製品はデザインクオリティーが高くて塗装の剥がれや色褪せやサビがあってもエレガントな雰囲気はすたれないオシャレな一品です。

ローズのお花のイラストとサイアンブルーとクレームに多少の色褪せがありますがとてもきれいです。写真のようにフタの向かって右の角に縦に4ミリと3ミリ位の亀裂があります。ムニエ社のエティケットが欠損しています。ヒンジに壊れはありません。中に僅かな汚れがありますがサビはなく大変きれいです。その他、多少の塗装の剥がれやキズやサビや汚れやなどありますが凹みはほとんどなくとても状態が良くきれいで、Good Conditionです。